● 15年12月18日 県議会報告
2015年12月18日 12月定例会本会議 高瀬菜穂子議員反対討論(大要)「第二〇一号議案「福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略の策定について」に対する反対討論」
≪2015年12月定例会・本会議反対討論≫
2015年12月18日
「第二〇一号議案「福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略の策定について」に対する反対討論」
高瀬菜穂子議員
日本共産党の高瀬菜穂子でございます。第二〇一号議案「福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略の策定について」に対する反対討論を行います。
反対の第一の理由は、県人口の将来展望について、希望出生率一・八を目標としながら、目標実現のための具体的根拠を欠いているという点です。本ビジョンは、最悪のケースでも二十五年後の二〇四〇年に出生率一・八が実現するという想定ですが、国立社会保障・人口問題研究所は、出生率は長期的に一・三五で推移すると予測しています。これを覆して出生率を上げるには、賃金、雇用、社会保障、男女共同参画など将来に希望の持てる社会経済に大転換する必要がありますが、骨子には何の裏づけもありません。過大な推計に基づく人口ビジョンは、総合戦略全体に影響を与える大問題です。
第二の理由は、小さな拠点づくり、集約型都市づくりの名による地域切り捨てです。本ビジョンには、住民に必要な生活福祉サービスを一定のエリア内に集める小さな拠点づくりを市町村と連携して進める、居住機能や福祉、医療、商業等の都市機能の誘導により集約型の都市づくりを推進すると明記しています。地域人口の維持のために何をすべきかという中心課題を脇に置き、市街地のコンパクト化、縮小を地域政策の優先課題とする考え方は、単なる地域リストラ政策であり、地域振興にとって有害であると指摘せざるを得ません。集落の統合は共同意識が失われ、より利便性の高い都市部への転出につながる可能性があります。市街地のコンパクト化、縮小よりも、地域に人口を維持する方策を考えていくことが重要です。
過大な推計と地域リストラ方針を含んだ人口ビジョンに本県議会がお墨つきを与えることは、将来に禍根を残すと指摘をし、反対討論とします。(拍手)