● 19年07月12日 県議会報告
2019年7月12日本会議 第105号議案 福岡県宿泊税条例及び、第106号議案 福岡県宿泊税基金条例の制定についての反対討論
《2019年度6月定例会・本会議》
2019年7月12日
第105号議案 福岡県宿泊税条例及び、第106号議案 福岡県宿泊税基金条例の制定についての反対討論
立川由美 議員
日本共産党県議団を代表して、「第105号議案・福岡県宿泊税条例の制定について」及び、「第106号議案・福岡県宿泊税基金条例の制定について」に対する反対討論を行います。
宿泊税については、先月24日に福岡市議会において可決成立されており、本条例案が制定されれば、福岡市において、県と市がともに宿泊税を徴収する「全国初」の二重課税となります。二重課税は一つの課税原因に対して同種の租税が重複して課税されることであり、納税者に過重な税負担を課したり、公平性を損なわれたりすることから、回避・調整することになっています。それを知事と福岡市長との「トップ会談」で調整するなど到底、県民、市民の納得するところとは思えません。
また、本条例案では宿泊料金に関わらず、税額を一律、福岡市内の施設は50円、その他を200円としてあり、低所得者に配慮するという累進課税の考え方が無視されています。しかも、負担能力のない子どもからも無条件に徴収することになっています。
東京都は1万円未満、大阪府は7千円未満の宿泊料は非課税とするなど免税点を設け、京都市では修学旅行生には課税しないこととするなど、一定の措置を設けているところもありますが、本県の場合、なんの配慮もなく、税の公平性の観点からも問題があります。
さらに、旅館・ホテル業者は宿泊税の特別徴収義務者として、宿泊税の徴収や、税の申告納入、帳簿の記載など、新たな事務が義務付けられ負担が増えることになります。
とりわけ中小零細業者にとっては、宿泊税の導入によって、業者間の低価格競争に拍車をかけ、消費税同様、宿泊税の税額を宿泊料金に転嫁できず負担せざるを得ないなど、一層苦しい立場に追い込まれることが懸念されます。実態すら把握できない違法民泊には有効な手立てが打てないままであり、不公平な課税によって中小零細業者にとってはいっそうの脅威となるのではないでしょうか。
10月には消費税の増税も予定されています。二重三重に負担を強いることは、中小零細業者にとって死活的な問題であり、到底看過できません。
以上の理由から、「第105号議案・福岡県宿泊税条例の制定について」及び、「第106号議案・福岡県宿泊税基金条例の制定について」反対を表明し討論とします。