● 19年10月16日 県議会報告

2019年10月16 日 2019年9月定例会 高瀬菜穂子議員「2018年度福岡県一般会計決算認定について反対討論」



<2019年度9月定例会・本会議>

 

        2019年10月16日

 

129号議案「平成30年度福岡県一般会計決算」認定について反対討論

 

 日本共産党の高瀬菜穂子です。

 

 日本共産党県議団を代表して、議案第129号「平成30年度一般会計決算」の認定について、反対の立場から討論を行います。

 

 安倍政権が推進するアベノミクスにより、大企業が空前の利益を上げる一方で、全労働者の実質平均賃金や家計消費は大幅に落ち込み、貯金をもたない世帯が35%を占めるなど、貧困と格差が広がっています。雇用環境も改善していると言いますが、その内訳は働かざるを得ない学生や高齢者が増え、非正規労働が底上げをしているのが実態です。

 くわえて、全国的に大災害がくり返されるなか、本県も3年連続で豪雨災害に見舞われました。県政の重点課題は、県民の暮らしを下支えすることと、加速度的な防災減災対策であると、我が会派はくり返し強調してきました。

 

 しかるに、平成30年度の決算を見ますと、前年度比で、保健費が96.56%、生活労働費が96.22%、環境費が88.79%、農林水産費は98.88%と、県民生活に直接影響を与える分野で、軒並み昨年に続き減額されています。なかでも、県民のセーフティネットである生活扶助基準が昨年10月から1.8%引き下げられたことにより、予算ベースで19億円も減額されたことは看過できません。これに伴い住民税など47の施策に連動し、県民生活に重大な影響を及ぼしています。

 

 一方で、過大な需要予測に 基づき、巨額の税金が投入されてきたダム関連予算は、五ヶ山ダム・伊良原ダムの竣工により大幅減額となりましたが、小石原川ダムの県負担金は48億4千万円、さらに、福岡空港の滑走路増設、民営化に向けて空港整備促進費が35億8千万円、新松山地区再開発用地造成に22億5千万円と、大型の公共事業に巨費が投じられました。

 必要性、採算性に疑問符がつく、総事業費2000億円以上と言われる「下関北九州道路」には、例年通りの調査費をつけ、推進姿勢を明確にしています。

 

 不要不急の大型公共事業ではなく、遅れている河川改修や土砂対策など防災・減災対策の公共事業、県民の暮らしを応援する施策にこそ、限られた予算を重点的に配分すべきです。

 

 県債残高は前年度比562億円増加し3兆6308億円に達し、毎年過去最大を更新し続けており、県民一人あたり70万8千円にもなります。今年度は、更に増え3兆7015億円になる見込みです。地方交付税の振替財源としての臨時財政対策債の発行額の増加や、連続する災害復旧関連の事業費の増大など、やむを得ない事情もありますが、予算のあり方を大元から見直し、財政の健全化を図るべきだと思います。

 

 以上の理由から、平成30年度一般会計決算の認定に反対し討論とします。

 

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