● 21年03月24日 県議会報告
2020年3月24日 議案第二号「令和三年度一般会計当初予算案」に対する反対討論
議案第二号「令和三年度一般会計当初予算案」に対する反対討論
日本共産党の高瀬菜穂子です。議案第二号「令和三年度一般会計当初予算案」に対し、反対討論を行います。
令和三年度一般会計当初予算案は、総額2兆1,361億円、過去最大だった前年度を2,844億円、15.4 %上回っています。14か月予算として850億円を追加する、一般会計補正予算(第12号)と合わせると、2兆2,212億円、前年度比3,364億円、17.8%増と、ともに過去最大、初めて2兆円を超える大型予算となっています。
コロナ対策では、病床や宿泊療養施設の確保に399億6,792万円が計上されていますが、重点医療機関の指定にあたって県独自のルールを設け、病床確保料に差別的な扱いを継続しており甚だ問題です。
高齢者施設、障がい者施設の職員へのPCR検査には8億5,860万円の予算ですが、こうした施設の入所者や医療従事者はじめ教員、保育士などのエッセンシャルワーカーにも検査を拡大すべきです。
感染を抑え込むには、無症状感染者を見つけ出し保護することが不可欠ですが、そうした戦略が見受けられません。大規模なモニタリング検査で感染集積地を特定し、住民・在勤者全体の面的検査を強く求めます。
東京商工リサーチによると、昨年の全国での休廃業·解散が5万件に迫り過去最多となりました。本予算案では中小企業向けの支援策は圧倒的に制度融資であり、わずかに経営改革を求める直接支援の予算が組まれています。これでは余力・体力がある事業者しか救われません。
持続化給付金、家賃支援金の再給付を国に求めるとともに、県独自の営業への直接支援が必要です。
教育費は、コロナ禍で少人数学級の認識が広がり、国もその導入に動き出したにもかかわらず、独自の予算がない全国的にも極めて稀な県となっています。本予算案では、わずかな私学助成の予算も減らされており、看過できません。
公共事業では、必要性・採算性が明確でない「下関北九州道路」の調査費が360万円から2020万円と大幅に増額されています。
コロナ禍で大幅な税収減と支出増が重なり、県債残高は21年度末で3兆9,681億円と最高額を更新する見通しと厳しい財政状況にあります。不要不急の大型事業は見直し、コロナ対策や県民の暮らしを支える予算、防災型公共事業の優先的推進を強く求めます。
以上の理由から、令和三年度一般会計予算に反対し討論とします。