● 23年03月20日 県議会報告
2023年3月20日 議案第一号「令和5年度一般会計当初予算」に対する反対討論
2023年3月20日
2月定例会 第1号議案「令和5年度福岡県一般会計予算」に対する反対討論
日本共産党の高瀬菜穂子です。第1号議案「令和5年度福岡県一般会計予算」について、反対討論を行います。本予算案は、16か月予算として編成され、その規模は合わせて2兆2772億円と過去最高となり、予算の枠組みは基本的に国に倣ったものとなっています。
2023年度国家予算は、まさに異次元の軍拡予算となっており、防衛省・財務省所管分を合わせると、10兆1680億円、前年度比89.4%増です。そのあおりを受けて、中小企業対策費などくらしの予算は削減され、41ぶりの物価高騰に苦しむ国民の暮らしや営業を守り、経済を立て直すものとはなっていません。
本県当初予算も、これに合わせ、コロナ検査体制は感染拡大期に限定しており、鳥取県が実施している「事業復活支援金」への上乗せや、静岡県で実施が決まった困窮学生への一人5万円の支援など、独自の支援策は盛り込まれませんでした。
そのような中、本県の予算は、県の財政改革プランに沿って、社会保障の抑制を行うものです。不要不急の下関北九州道路や都市高速道路福岡高速3号線の延伸、すでに350億円をつぎ込んだ筑後広域公園に10億円、さらに総工費740億円もかけてダム群連携事業も国と一体に進めています。一方、浚渫など身近な公共事業である県単事業には2%のシーリングをかけており、県民の強い要望である県営住宅の増設や整備は、基本的に家賃収入の範囲でしか進められていません。「1000億円の人づくり」と言いながら、すべての子どもたちを視野に行き届いた教育を行うための「少人数学級」に対する独自措置は今年も見送られました。
「県内GDP20兆円への挑戦」を行うのであれば、GDPの6割を占める個人消費を伸ばすことに重点を置くべきと考えます。最低賃金水準がCランクの本県の県民所得は決して高くなく、子どもの貧困率が全国5位、後期高齢者医療の保険料軽減を受けている人は7割に及びます。 後期高齢者保険料を抑制するための県財政安定化基金の積み増しは10年間行っておらず、保険料は制度開始以来、全国トップレベルです。昨今の物価高騰で苦しむ県民に寄り添う施策を行ってこそ、地域経済をあたため、GDPの拡大につながるのではないでしょうか。
コロナ禍、救急搬送困難事案が多発したことを重く受け止め、病床削減となっている「地域医療構想」を見直し、職員削減など行き過ぎた「行政改革」を見直し、真に「住民の福祉の増進」を本旨とする行政を求め、反対討論とします。
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