● 16年08月04日 活動報告
沖縄県「子どもの貧困対策」の取組についての調査
2016年8月4日~6日
高瀬菜穂子、山口律子両県議は、8月4日から6日の日程で現地に赴き、沖縄県の「子どもの貧困対策」の取り組みについて調査しました。
沖縄県は昨年、県独自の2つの調査(「市町村既存データ活用による子どもの貧困率調査」、「沖縄子ども調査」)を実施、全国ではじめて県単位での子どもの貧困実態を明らかにしています。前知事時代から共産党議員が何度も取り上げ、250を超える陳情も上がった末に、現知事になってようやく実現したものです。
この調査は、一般社団法人沖縄子ども総合研究所に委託、学識者も含めて県と話し合いを進めながら検討を重ね、「貧困の見える化」をめざして数値での貧困状態の把握と同時に保護者と児童生徒に向けた記述式のアンケートになっています。それによると「沖縄県の子どもの約30%が貧困状態にある」ことが判明、衝撃をもたらしています。
今後沖縄県は、高校生を含めた追加調査、経年変化を見る定期的な調査を計画しています。
沖縄県では、今年度10億円の国の補助金を活用して子育て支援、子どもの居場所づくりを推進。これとは別に県単独で6年間で30億円の予算を組み、「子どもの貧困をなくす」事業計画を策定しています。
県庁には「子ども未来政策室」を設置、知事のトップダウンで、今年度3人から9人に体制を強化、事業推進の中核を担っています。ここには現職の教職員も配置されています。また、事業推進部会、普及推進部会を各5人で構成、2週に一回の会合を開いています。
事業は、乳幼児期、小中学生期、高校生期、支援を必要とする若者、保護者、と支援を必要とする対象のライフステージに応じて「当面の重点施策」を策定。子育て世代包括支援センターの設置促進、就学援助制度の拡充と周知の強化、子どもの居場所づくりとその取り組みを行う市町村の支援、給付型奨学金等就学支援、ひとり親家庭への支援など、それぞれのステージに即して、きめ細やかな支援事業を順次推進しています。
特筆すべきは、「県民の総力を結集し、沖縄の未来を創造する子どもたちが安心して暮らし、夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指す」として「沖縄子どもの未来県民会議」を今年6月に設立していることです。知事を会長に、経済団体、労働団体、教育団体、福祉・医療・保健団体、報道機関、国・県・市町村、その他、105団体で構成し、事務局は、県こども生活福祉部、同子ども未来政策室、公益社団法人沖縄県青少年育成県民会議が担っています。県民会議は2億円の基金設立を目標にしていますが、1か月で1600万円強がすでに集まっています。知事が先頭に立って、企業などにも働きかけているそうですが、お年寄りなど個人からの寄付も多いということです。