● 16年08月29日 活動報告
カネミ油症の実態と対策について 五島市、長崎県庁を訪問・調査
8月29日、山口律子県議は長崎県五島市を訪問。カネミ油症五島市の会事務局長の宿輪敏子さんに話を伺いました。五島市は、被害者が全国の約4割、長崎県全体の9割ととりわけ多いところです。
宿輪さんは「2000年ごろになって、カネミ油症の原因がダイオキシンだと初めて教えられた」と言います。それまで、カネミ油症は「皮膚症状」ばかり強調され、「体がだるい」「手すりがないと階段を登れない」「ご飯を食べると気持ちが悪くなる」「顔がむくみ歯を磨くと血が出る」など、自身にもおこっている様々な症状がカネミが原因だと、そのときわかったそうです。
カネミ油症が発覚する直前、カネミ倉庫製造のダーク油を含む配合飼料が原因で、40万羽以上のニワトリが死んだ「ダーク油事件」が発生。このときにカネミ倉庫を詳しく調査していれば、深刻な事態を防げたかもしれません。当時の農水省はニワトリの問題として処理しました。縦割り行政の弊害です。
またこの時期、高価格だったカネミ油(回収したものを転売した疑いがある)の安売りが五島市や福岡県田川市で行われ、被害者が集中しました。
宿輪さんは、人為的に被害を拡大された側面も指摘されました。
2012年の救済法で同居患者などの認定が一定進んだものの、認定基準があいまいなため影響の広がりもつかめず、今なお未認定の被害者を多く残しています。具体的な治療法も発見されていません。宿輪さんは、「油症研究班のデーターを患者自身が見ることはできない」「検査データを集めるだけで、私たちはモルモットにされた」と言います。その他、カネミ倉庫の未払い補償金など、まだまだ、数多くの問題が残っています。
宿輪さんは「国の責任で患者の実態調査を行い、医療費、生活保障など恒久的救済を」「研究機関は病気を治すための研究を」と訴えています。
翌日、長崎県庁を訪問。長崎県の取り組みを調査しました。